ロッドレンズとは
ロッドレンズは円柱状の光学素子で、光の制御や集束に使用されるオプティクスです。その光学特性は加工方法により異なり、側面を研磨したタイプは光をライン状に変形させる機能を持つ一方、端面を研磨したタイプはレンズ内部を導波路として光を伝送します。
特に側面研磨タイプは、シリンドリカルレンズと同様の光学特性を持ちながら、より短焦点でコンパクトな構造を実現できます。これらの特長により、画像センサーやレーザー光学システムなど、高度な光学制御が必要な分野で広く活用されています。
ロッドレンズの応用
ロッドレンズを半割りに加工することで小径のシリンドリカルレンズに転用することができます。このレンズは、コンパクトで短焦点という特徴を持つほか、複数を組み合わせてアレイ状にすることで「シリンドリカルレンズアレイ」を構築できます。
シリンドリカルレンズアレイ
複数のシリンドリカルを組み合わせた光学系で、光を一方向に均一化するホモジナイザ(フライアイレンズ)として機能します。
主な用途
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レーザー加工
均一な線状のビームを生成し、精密な材料切断や溶接に使用 -
ディスプレイ製造
液晶パネルやOLEDパネルの製造過程において、光源を均一化 -
検査システム
製品の表面検査や欠陥検出に必要な均一な照明を提供し、検査精度を向上
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加工可能範囲
円筒面研磨 | 全面研磨/端面研磨 | シリンドリカルレンズ加工 | |
サイズ(φ) | 0.3~100mm | 0.5~12.5mm | - |
長さ(L) | 0.1~100mm | 0.1~45mm | 0.1~45mm |
曲率半径(R) | - | - | 0.25~6mm |
厚さ(T) | - | - | 0.25~6mm |
材質 | 一般光学ガラス、合成石英、CaF₂ | ||
外観精度(S/D) | ISO10110-7/MIL-0-13830に対応可能 |