レンズの偏芯とは、レンズの光軸と機械軸が一致しないことを指します。偏芯があると、レンズを通過する光の結像位置や品質に影響を与える可能性があります。
偏芯の原因は、レンズの製造過程や取り付け過程で発生するものです。レンズの製造過程では、レンズの外径と曲面中心がずれることで偏芯が生じます。これは「シフト」と呼ばれます。また、レンズの外径が光軸に対して傾くことで偏芯が生じます。これは「チルト」と呼ばれます。レンズの取り付け過程では、ホルダーやマウントなどによってレンズに力がかかったり、位置がずれたりすることで偏芯が生じます。
偏芯を測定する方法はいくつかありますが、一般的なものはオートコリメーターを用いる方法です。オートコリメーターはコリメート光(平行光)を出射し、反射した光を検出する装置です。オートコリメーターを回転させながらレンズに照射し、反射した光の位置や角度を測定します。この測定値から、ビーム変位量やウェッジ角度などを計算し、偏芯量や方向を求めることができます。