コリメートレンズは平行光を作るのか
コリメートレンズを使って遠方に設置したセンサーに光を飛ばしたい、そう考えて非球面コリメートレンズを光源に設置したとします。
光源とレンズとの距離も適正だった場合、ちゃんとレンズから平行光は出ているのでしょうか?
光源とレンズとの距離も適正だった場合、ちゃんとレンズから平行光は出ているのでしょうか?
この図では1点から出た光線の広がりが、レンズを透過した後に平行光で出力されています。
このレンズはコリメートレンズとして理想的だとします。
このレンズはコリメートレンズとして理想的だとします。
きれいな平行光なのでレンズから出た後もずっとまっすぐに光線は伸びています。
平行光を出すコリメートレンズの絵は、光源とレンズがまっすぐ並んでいる場合で成立します。
ここで光源の位置をレンズの軸からずらしてみます。
ここで光源の位置をレンズの軸からずらしてみます。
レンズから斜め方向に平行光が出ているのがわかるでしょうか?
レンズは光源から広がる光線を平行光にする仕事をしていますが、光源位置がずれたため出てくる光線の向きが曲がってしまっています。
レンズは光源から広がる光線を平行光にする仕事をしていますが、光源位置がずれたため出てくる光線の向きが曲がってしまっています。
光源が上にずれた絵と、下にずれた絵と、正しい配置の3枚の絵を重ねました。
色分けもやめてみましょう。
この絵をみて平行光が出ていると言えるでしょうか?
「レンズのピントがずれているんじゃないか?」と指摘が入るかもしれません。
もちろんレンズの位置は適切です。
この絵をみて平行光が出ていると言えるでしょうか?
「レンズのピントがずれているんじゃないか?」と指摘が入るかもしれません。
もちろんレンズの位置は適切です。
この上下にずれた光源を重ねた絵は何を表しているのでしょうか?
それは光源のサイズです。
蛍光灯でもLEDでもランプでもファイバーでもいいです。
光源は高さを持っています そして高さがあるからこそ上の絵のように、斜めに光線が出ていくのです。
では「完全平行光を作るにはどうしたら良いか?」という問いがあった場合、その答えは「高さがゼロの光源を用意する」ということになります。
それは光学用語では「点光源」や、「理想光源」と呼ばれています。
”理想”という語句が使われている意味はわかりますか?
自然界には存在しないためそういう呼ばれ方をしています。
それは光源のサイズです。
蛍光灯でもLEDでもランプでもファイバーでもいいです。
光源は高さを持っています そして高さがあるからこそ上の絵のように、斜めに光線が出ていくのです。
では「完全平行光を作るにはどうしたら良いか?」という問いがあった場合、その答えは「高さがゼロの光源を用意する」ということになります。
それは光学用語では「点光源」や、「理想光源」と呼ばれています。
”理想”という語句が使われている意味はわかりますか?
自然界には存在しないためそういう呼ばれ方をしています。
高さがゼロの光源は存在しないなら、完全平行光も存在しない、それならば世の中のコリメートレンズは嘘なのか!という結論にはなりません。
斜めに飛んでいったコリメート光は集光レンズに入れてまた点に戻すことができます。
これは点光源での挙動と同じです。 (「収差」は抜きで考えてください)
基本的な「コリメートレンズで平行にして」「集光レンズで集める」といった作業はまっすぐでも斜めでも成立します。
気をつけて欲しいのは「コリメートした光線は遠くまで広がらない」と思っていた場合には失敗することがあるという点です。
基本的な「コリメートレンズで平行にして」「集光レンズで集める」といった作業はまっすぐでも斜めでも成立します。
気をつけて欲しいのは「コリメートした光線は遠くまで広がらない」と思っていた場合には失敗することがあるという点です。
「直径20mmのレンズでコリメートして、また20mmの同じレンズで集光させる」現実的な距離の中でこの光学系は成立するのですが(上図)、「コリメート光なので遠くまで平行光が飛ぶから…」という考えで遠くに設置すると、下図のようなことが起きてしまいます。
光線に対してレンズが小さいですね。
こぼれた光線の分だけ効率が下がってしまいます。
いかがでしたか?
コリメート光はどこまでも真っ直ぐではない、というお話でした。
光線に対してレンズが小さいですね。
こぼれた光線の分だけ効率が下がってしまいます。
いかがでしたか?
コリメート光はどこまでも真っ直ぐではない、というお話でした。