焦点深度とは、レンズが像を結ぶ側で、撮像素子やフィルムの位置を前後にずらしてもピントが合っていると見なせる範囲のことです。ピントの許容範囲を「像側」で見たものにあたります。
被写界深度との違い
よく似た言葉に被写界深度があります。両者は測る場所が違います。
- 焦点深度(depth of focus)— 像側。撮像素子の位置をどれだけ前後させても像がボケたと見なされないか
- 被写界深度(depth of field)— 物体側。被写体がどの範囲までピントが合って見えるか
カメラで「手前から奥までピントが合っている」と言うとき、指しているのは被写界深度のほうです。英語ではどちらもDoFと略されるため混同されやすいので、光学系の設計や組み立てでは、像側の話か物体側の話かを区別して使います。
絞りとの関係
焦点深度も被写界深度も、レンズを絞る(開口を小さくする)ほど深くなります。開口が小さいほど光線が光軸に対してなす角度が小さくなり、焦点から少しずれてもボケの広がりが小さくて済むためです。
焦点深度が浅い光学系では、撮像素子の取り付け位置のわずかな誤差や、温度変化による部材の伸縮がそのまま像のボケにつながるため、機械設計上の公差が厳しくなります。





