開口数(Numerical Aperture, NA)
開口数(Numerical Aperture, NA)とは、光学系の光を集める能力(明るさ)と分解能を示す数値指標のことです。
定義と意味
開口数(NA)は、以下の式で定義されます。
NA = n ⋅ sin θ
ここで、nは物体側の媒質の屈折率、θはレンズが入射光を取り込む最大の半角です。
NAの物理的な意味は以下の通りです。
- NAが大きいほど、レンズが光を多く取り込むことができ、光学系が明るくなります。
- NAが大きいほど、分解能が高くなり、より小さなスポットに集光することができます。
用途とレーザーにおけるNA
開口数は、顕微鏡、カメラレンズ、光ファイバーなど、分解能や集光力が求められるあらゆる光学デバイスの性能を示す上で、最も重要な指標の一つです。
また、レーザー発振器から出射される光束の広がりを表す際にもNAが用いられます。この場合のNAは、**レーザー光が広がる角度**を示し、集光レンズと組み合わせることで、**集光スポットの最小径**を決定する重要な要素となります。高精度なレーザー加工においては、このNAの制御が極めて重要です。