アッベ数(Abbe Number)
アッベ数とは、光学ガラスの分散特性を示す指標で、屈折率の波長依存性、すなわち光の波長による屈折率の変化の度合いを表します。アッベ数が大きいほど分散が小さく、色収差が少ないレンズ設計が可能です。
定義
アッベ数(V)は次の式で定義されます:
V = (nd – 1) / (nF – nC)
ここで、ndはd線(587.6 nm)、nFはF線(486.1 nm)、nCはC線(656.3 nm)の屈折率です。
特徴と用途
- アッベ数が大きい → 分散が小さい → 色収差補正が容易
- レンズ設計でガラス選定に必須のパラメータです(例:高アッベ数ガラスは望遠レンズに適します)。
- 光学メーカーのカタログで、屈折率とともに最も重要な情報として記載されます。
関連情報
アッベ数は、ガラスの分散を表すため、**色収差補正**に直結します。
- 低アッベ数ガラス(高分散):光を波長ごとに大きく分離するため、プリズムや分光器などに使われます。
- 高アッベ数ガラス(低分散):波長による屈折率の変化が小さいため、高精度カメラレンズなどの色収差補正に使われます。