画角とは、レンズが撮影できる範囲を角度で表したものです。画角が広いレンズは広角レンズ、狭いレンズは望遠レンズと呼ばれます。画角はレンズの焦点距離とセンサーの大きさによって決まります。画角を計算する公式は以下の通りです。
画角 = 2 × tan^-1(センサーの対角線長 / 2 × 焦点距離)
例えば、イメージサイズが1/2.9型(対角6.2mm)のセンサーを使って、焦点距離が8mmのレンズで撮影するとき、画角は約53度になります。
画角 = 2 × tan^-1(6.2 / 2 × 8) ≒ 53°
画角はレンズの性能や用途を判断するための重要な指標です。画角によって、撮影できる範囲や被写体の大きさが変わります。また、画角によってレンズの歪みや収差などの光学的な特性も変化します。
一般に、画角が広いレンズは以下のような特徴を持ちます。
- 近い距離で広い範囲を撮影できる
- ピントの合う範囲が広い(被写界深度が深い)
- 歪みや収差が大きくなりやすい
- レンズの鏡筒や前玉が小さくなりやすい
一方、画角が狭いレンズは以下のような特徴を持ちます。
- 遠い距離や小さい被写体を拡大して撮影できる
- ピントの合う範囲が狭い(被写界深度が浅い)
- 歪みや収差が小さくなりやすい
- レンズの鏡筒や前玉が大きくなりやすい
これらの特徴を理解しておくと、レンズの選定や設計に役立ちます。例えば、マシンビジョンでは高精度な測定や検査を行うために、画角が狭くて歪みや収差が少ないレンズが望ましいですが、一方で監視カメラなどでは広い範囲を見渡せるように、画角が広くて被写界深度が深いレンズが望ましいです。