非球面レンズは、通常の球面レンズとは形状が異なるレンズのことです。
球面レンズは球の一部を切り取った形状をしていますが、非球面レンズは球の一部を切り取った形状以外にも、楕円形や放物面、双曲面などの様々な形状をしているものがあります。
非球面レンズは、球面レンズでは補正しきれない像の歪みや収差をより効果的に改善するために使用されます。球面レンズでは、周辺部になるほど像が歪んだり、色収差が生じたりしますが、非球面レンズを使うことでこのような問題を解決することができます。
収差補正はレンズを複数枚組み合わせることでも可能ですが、例えば高出力レーザー用途の場合などではレンズ面数分だけエネルギー効率の低下につながり、またサーマルフォーカスシフトなどのエラーも生じます。その点レンズ1枚で収差補正できる非球面レンズは有効な手段です。また省スペース化できることもメリットです。
望遠鏡や顕微鏡、レーザー加工機など幅広く使用されていますが、球面レンズよりも製造がより難しく、コストが高くなる場合があります。
しかし、その高度な光学性能から、研究開発分野や産業分野で重要な役割を果たしています。