凸レンズに平行光を入射させると、出射する光線は集光します。

凹ミラーを使っても同じことができます。

ミラーの場合反射であるため、いま来た道を戻る必要がありますが…
今回は反射と集光が目的の放物面ミラーについて解説します。
①球面と放物面
凹面ミラーで集光する例を示しましたが、”球面”ミラーの場合、完全な1点集光ではありません。

この1点集光しない問題は球面レンズも似た特性を持っています。
そして解決する方法も似ています。
集光性能を高める手段は非球面化です。

平行光を1点集光させるための非球面ミラー
これが放物面ミラーです。
光線の向きを逆に考えた場合、ある1点から出た放射光をキレイな平行光にします。
②軸外し放物面

ミラーで光線を1点に集めてワークを熱したい、そんな条件下でワークを集光位置に置いた場合は、ミラーに向かう光線をワークが塞いでしまいます。透過型のレンズではこんな事は無いのですが、集光ミラーではこの問題について解決する必要があります。

ワークに対して光線が当たらないようにするために、ミラーの真ん中付近には光線が入らないようにしました。
対称性を持つ光学系はその中心のことを ”軸” と表現することがあります。
放物面ミラーは軸上の利用では不都合が多いので、上図のように軸からずらした利用方法があります。
これを軸外し放物面と呼んでいます

ミラーの使っていない部分を取り除くと上図のようになります。
この例では反射した光線は19.3°向きを変えたので、19.3°ミラーということになります。

非軸放物面ミラー独自のパラメータが多く、カスタムミラーを設計する場合は細かい条件を必要とします。
いかがでしたか?
今回は、集光ミラーってどうやって光を集めているの?という素朴な疑問から、少し掘り下げてお話しました。