単色光とは?
単色光とは、一つの波長だけからなる光のことです。これはあくまでも理想的な状態であり、厳密には現実には存在しませんが、レーザーや分光器などの装置を用いることで、極めて単色光に近い光を作り出すことができます。
1. 単色光の物理的な特徴
単色光は、その波長が一定であることから、通常の光とは異なる物理的性質を示します。
光の分解と波の性質
- 通常の白色光(太陽光など)は、プリズムなどを通すと赤から紫までの連続したスペクトル(七色)に分解されますが、単色光は分解されません。
- 単色光は、干渉や回折といった現象を起こしやすいという特徴があります。これらの現象は、光が波の性質を持つことを示すもので、波長が一定であるために波の重ね合わせや屈折の影響が明確に現れます。
2. 単色光を生成する装置と応用分野
科学や工学の分野では、単色光の持つ一貫した波長が重要な役割を果たすため、様々な技術に応用されています。
応用例
- レーザー:高度に集束され、指向性の高い単色光であり、医療(手術)や通信(光ファイバー)、半導体製造など、広い分野に応用されています。
- モノクロメーター:特定の波長範囲の光を取り出して単色光に近い光を作る装置であり、物質の分光分析や光学測定などに用いられます。
- ホログラム:単色光の干渉を利用して記録された立体画像であり、防犯や芸術などに活用されています。