PV(peak to valley)値は、光学部品の表面精度を示す数値の一つで、理想形状に対しての誤差の最大値と最小値の差を表します。
PV値は光学部品の表面上で最も高い点(peak)と最も低い点(valley)との高さ差を示します。この値が小さいほど、表面精度が高く、理想的な形状に近いことを意味します。一般に、PV値は波長(λ)を単位として表されます。例えば、PV λ/4 という場合は、peakとvalleyの差が光源の波長の4分の1以下であることを示します。
しかし、PV値だけでは表面精度を十分に評価することはできません。なぜなら、PV値は表面上の2点だけで決まるため、全体的な平均や分布を考慮していないからです。例えば、同じPV値でも、歪みや凹凸が局所的に集中している場合と均一に分散している場合では、光学システムへの影響が異なります。
そこで、PV値以外にもRMS(root mean square)値や、Ra(算術平均粗さ)値などが用いられます。これらは表面上の全ての点から基準面までの距離を平方したものに対する統計量です。RMS値はその平均平方根であり、Ra値はその算術平均です。これらの値は表面上の歪みや凹凸がどれくらい散らばっているかを示します。