蛍光とは、ある波長の光を吸収して、より長い波長の光を放出する現象です。例えば、紫外線を吸収して、可視光を放出する物質は蛍光物質と呼ばれます。蛍光物質は、日常生活でよく見かけるものです。例えば、ハイライトペンやポスターなどの色が鮮やかなものは、蛍光物質を含んでいます。また、蛍やクラゲなどの生き物も、蛍光物質を持っています。
蛍光の原理
蛍光の原理は、電子のエネルギー準位と関係しています。電子は、原子の周りにある特定のエネルギー準位に存在します。通常は、最も低いエネルギー準位にある電子が安定ですが、外部からエネルギーを与えられると、より高いエネルギー準位に励起されます。しかし、励起された電子は不安定なので、すぐに低いエネルギー準位に戻ろうとします。そのときに、エネルギーの差分に相当する光を放出します。これが蛍光です。
蛍光の応用
蛍光は、さまざまな分野で応用されています。例えば、医学では、蛍光物質を標識として使って、細胞や組織の構造や機能を観察したり、病原体や癌細胞を検出したりします。また、化学では、蛍光物質をセンサーとして使って、pHや温度などの物理的・化学的なパラメーターを測定したりします。さらに、工学では、蛍光物質をディスプレイや照明などのデバイスに利用したりします。