入射角(Angle of Incidence)とは、光や波が物体表面に入射する際の角度のことを指します。
定義と基準
入射角は、物体表面に垂直な線(法線)と光線の成す角度で表されます。
- 光線が法線と平行に入射する場合は、入射角は0度となります。
- 光線が法線と垂直(表面と平行)に入射する場合は、入射角は90度となります。
入射角が大きくなるほど、反射や屈折の角度が大きくなります。
垂直入射でも反射は起こる
入射角が0度、つまり面に対して垂直に入射する場合でも、屈折率の異なる媒質の境界では必ず一部の光が反射します。これをフレネル反射といい、垂直入射のときの反射率Rは、境界の両側の屈折率をn1、n2として次の式で求められます。
R =((n2 – n1) / (n2 + n1))²
空気(n≒1.0)から、コーティングのない光学ガラス(n≒1.5)へ垂直に入射する場合、この式から反射率は約4%になります。1面あたり4%なので、レンズを何枚も重ねた光学系では、この損失が面の数だけ積み重なっていきます。反射防止(AR)コーティングは、薄膜の干渉を使ってこの境界面での反射そのものを打ち消し、透過率を上げるためのものです。
そして、この反射率や透過率が入射角によってどう変わるかを扱うのが入射角度依存性です。
光学設計上の注意点
入射角が大きくなると、反射や屈折の効果がより強くなり、光の損失が大きくなることがあります。そのため、光学デバイスの設計においては、入射角に注意を払う必要があります。また、入射角によって偏光の状態が変わります。境界面での反射率はs偏光とp偏光で異なり、入射角が大きいほどその差が開くため、無偏光の光でも斜めに反射させると反射光は偏った状態になります。反射率の差が最大になる入射角をブリュースター角と呼び、この角度ではp偏光の反射がゼロになります。





