中心波長とは、レーザーが発する光の波長の平均値のことです。波長とは、波の一周期分の長さのことで、光の色やエネルギーに関係します。波長が短いほど、光は青く見えてエネルギーが高くなります。逆に、波長が長いほど、光は赤く見えてエネルギーが低くなります。人間の目に見える光の波長は約400nmから700nmの範囲で、これを可視光と呼びます。レーザーは可視光だけでなく、赤外線や紫外線なども発することができます。
レーザーの中心波長は、レーザーの発光原理や発光素子によって決まります。例えば、半導体レーザーでは、半導体の材料や構造によって中心波長が変わります。一般的には、半導体レーザーの中心波長は約600nmから1600nmの範囲であり、可視光から近赤外線までカバーします。また、ガスレーザーや固体レーザーでは、ガスや固体の種類や励起方法によって中心波長が変わります。例えば、ヘリウム・ネオンレーザーでは約633nmの赤色光を発し、二酸化炭素レーザーでは約10.6µmの赤外線を発します。