ビームプロファイルとは
- ビームプロファイルの基本
- ビームプロファイラの種類
- ビームプロファイルの測定方法
- ビームプロファイルの重要性
1. ビームプロファイルの基本
ビームプロファイルとは、レーザービームの断面における光強度の空間分布を示す特性です。
一般的にはビーム径や強度分布を測定し、ビームがどのように伝搬・集光するかを評価します。
同じビーム径や出力を持つレーザーでも、強度分布が異なれば集光特性や加工品質に大きな差が生じます。
代表的な分布には、ガウシアン型(中心が最も強く周辺に向かって減衰)やフラットトップ型(均一な強度)があります。
これらはレーザー加工や光学設計において重要なパラメータです。
2. ビームプロファイラの種類
ビームプロファイルを測定する装置をビームプロファイラと呼び、方式は大きく次の2種類に分類されます:
- 固定式(CCDカメラ型)
二次元センサーでビーム全体を一度に撮像するため、測定が高速で、連続光・パルス光の両方に対応可能です。
複雑なビーム形状(ドーナツ型、フラットトップ型など)の解析にも適しています。ただし、装置コストが高めです。 - 走査式(ピンホール・スリット・ナイフエッジ型)
単一の検出器を用い、遮蔽物を走査して強度分布を取得します。
構造がシンプルで安価ですが、測定に時間がかかり、パルス光や複雑なパターンの解析には不向きです。
3. ビームプロファイルの測定方法
代表的な測定手法は以下の通りです:
- CCDカメラ型(固定式):二次元画像として強度分布を取得し、ビーム径やM²値(ビーム品質指標)も解析可能。
- ピンホール型(走査式):微小な穴を走査し、局所的な強度を測定することで高い空間分解能を実現。
- スリット型・ナイフエッジ型:一方向の強度分布測定に適し、簡易的な評価に用いられます。
4. ビームプロファイルの重要性
ビームプロファイルは、レーザー加工、ホログラフィ、顕微鏡観察、医療用レーザーなど、精密な光制御が求められる分野で不可欠です。
均一なプロファイルは、加工品質の安定化やエネルギー効率の向上に直結します。
逆に不均一なプロファイルは、焦点位置のずれや加工ムラを引き起こすため、定期的な測定と調整が推奨されます。