SUNRISE-IIIは、2024年7月10日にスウェーデンのエスレンジ宇宙センターから打ち上げられ、高度35kmの成層圏を6日間にわたって飛翔した後、7月16日にカナダ北西部へ無事着陸しました。
https://solarwww.mtk.nao.ac.jp/sunrise-scip/news/individual/2024/09/scip-datarecovery.html
SUNRISE-IIIは、口径1mの大型望遠鏡を気球に搭載し、成層圏(高度約35km)から太陽を観測する国際共同プロジェクトです。
気球に取り付けられたゴンドラには、望遠鏡のほか、主に以下の3つの科学観測装置が搭載されました。
- SCIP(近赤外線偏光分光装置)
- SUSI (近紫外線偏光分光偏光)
- TuMAG(可視光撮像偏光分光装置)
今回のフライトでは、これらすべての装置により、極めて高品質な太陽観測データの取得に成功しました。
3つの観測装置のうち、SCIPは日本の国立天文台を中心に開発されました。
SCIPには、当社が製造した「軸外し非球面ミラー」「球面ミラー」「レンズユニット」が搭載されています。




軸外し非球面ミラー
結像性能の鍵を握る コリメータ鏡とカメラ鏡、いずれも高次の軸外し非球面を当社の自由曲面研磨技術により実現

球面ミラー
観測環境において性能を維持されるよう設計、製作

レンズユニット
レンズの製造に加え、高精度な位置決め要求に対応したレンズ保持機構の設計・製作